裁判所が下した買取金額が発行会社提示金額の約50倍になったケース

  • 非上場株式のトラブル事例

ご相談の状況

創業70年弱の同族会社です。株主構成は本家グループが約80%、分家グループが約20%保有しています。当初は本家分家の隔たり無く経営に関与していましたが、代替わりに伴い、3代目社長(依頼主の従兄弟)は本家側の親族のみで会社を運営したい考えがあり、従兄弟である依頼主は取締役を解任され、子会社での勤務を命じられました。また、解任の際に株の買取も提案され、その金額はほぼ額面での買取を提示されました。
依頼主はその売却案を固辞し、逆にこの20%程度株式を利用して、従兄弟に一泡吹かせたいという気持ちが強くなり、相談に来られました。

交渉と解決結果

当初は本社取締役への復帰や現社長の更迭を望まれていましたが、持株割合20%の現状では現実的ではないと判断しました。
依頼主のお話を詳しく聞いていますと、実際は会社に未練がないことや保有している株を現金化できれば満足できるということがわかりました。
現金化にあたって、まずは一旦弊社の関係会社で譲渡価格の特約を付して買取をさせていただきました。本件株式は譲渡制限株のため、提携弁護士から譲渡承認請求を送りましたが、不承認となり、一定の手続きを経て、裁判所の裁定に至りました。
裁判所が下した買取金額で、会社が自己株式を買い取る必要があり、その下した金額は当初会社側が依頼者に提示した金額の約50倍でした。