少数株式を持ち続けるリスク

  • 非上場株式の基礎知識

非上場会社(とりわけ同族会社)の少数株主にとって、株を保有し続けることにはいくつかのリスクが存在します。以下にその主なリスクを記載します。

1. 株式の流動性の低さによるリスク

上場株式は市場があるため自由に売買することができますが、非上場株式は市場がないため株式の流動性は非常に低く、簡単に売買することはできないです。さらに、非上場会社の少数株主となると、経営の主導権もないため、よほど魅力的な会社でない限り、非上場会社の少数株を買いたいという方は現れないと思います。仮に買手が見つかったとしても、非上場株式の価値は不明瞭であり、買手と価格交渉をする必要がありますし、そもそも、非上場会社の株式は、譲渡制限が付与されているため、自由な売買はできません。
そのようなことから、非上場株式を現金化したいと思っても、なかなか現金化はできないとご理解ください。

2.相続税の観点からのリスク

株を保有されたままお亡くなりになった場合、その株は相続財産となり、相続税の課税の対象となります。
相続発生時の非上場株式の評価額は、国税庁が公表している財産評価基本通達による評価方法により評価しなければなりません。
少数株主は株主の恩恵をほとんど受けていないことが多いため、低い評価額だろうと高を括っていると、相続税評価額では想定以上に高い評価額になるケースはよくあります。
高い評価額=相続税の納付額が増えるということになりますが、上記1で記載したとおり、非上場株式は流動性が低く現金化にかなりの時間を要します。したがって、高額な相続税が払えず、相続人がつらい思いをすることも考えられます。
ですので、少数株でも放置せず、将来の相続に備えた対策を講じておくべきだと思います。

3.配当ストップのリスク

少数株であっても配当を受ける権利はあるため、配当を期待して株を保有し続けるということもあると思います。
ただ、この配当は必ずしも発生するものではなく、支配株主の意向次第でが配当の支払いがいつでもストップする可能性がありますので、配当を期待し続けることはリスクです。

4.少数株主軽視のリスク

非上場会社とりわけ同族会社では、経営陣や主要株主による支配力が強いため、少数株主が自身の意見や意思を反映させることが難しい場合がよくあります。そもそも同族会社では、コポーレートガバナンスが効いていない会社が多く、一部の支配株主が自己の利益のために経営を行っているため、少数株主への配慮など期待できないです。
配当ももらえず、経営に対する意向も反映してもらえず、売却したくても売却できなくて、塩漬けになっている少数株は世の中に五万といます。

少数株を保有し続けることは、上記のようなリスクがありますので、少しでも不安を抱えている方は弊社にぜひご連絡ください。